集客活動の基本、デリバリー×アクションの方程式を紹介
求人採用において、まず肝心なのは「集客」という活動になります。
世の中に存在する多数の求職者から「応募候補者」を企業に集める採用告知行動です。
この集客には原理原則の公式が存在しています。40年前の紙媒体の頃から現在のAIマッチングに至るまで、変わらない考え方のベースです。
求人応募は上記の「Delivery(デリバリー)」と「Action(アクション)」というシンプルな掛け算で成立します。
デリバリーとは、求職者に求人情報を届ける力です。「採用ターゲット」に対して的確に求人情報を届ける行動です。
ここで間違ってはいけないことがあります。デリバリーを無限に広げたら採用ができるか、というとそうではないということです。
届けるべき人、つまり求める人物、自社に必要だと思う人に求人情報が届かなければ、決して目には止まらないというところになります。
例えば、シニアを採用したいと思ったとき、世の中でSNS採用が流行っているからと言ってTikTokで求人を行えば成功するでしょうか?その逆で若者を募集したい際に、新聞広告や新聞折り込み求人広告を使うことは得策でしょうか?
結果的に応募はあるかもしれませんが、TikTokは比較的若者を中心に広がっているSNSですのでシニア層にど真ん中ストレートでヒットするとは思いづらいです。新聞も親と同居世代なら家に新聞が届くかもしれませんが、若者が新聞の求人覧や折り込みチラシの求人広告をこまめにチェックしていることはちょっと想像しづらいです。
つまり、ターゲット求職者が、自分たちが情報収集を行っているメディアやインフラに対して求人メッセージを投下しないと彼らの目に留まりにくいということになります。
ものすごくおおざっぱですが、世代別の情報収集メディアには下記のような分岐があると考えています。この分岐に合致する方法で求職者に求人情報を伝えているメディアを使用すると的確に「Delivery(デリバリー)」すなわち求人情報の伝達が行われると考えています。
最近は求人のデリバリーをAIが行うケースも増えてきています。求職者がマイページとして自分の希望する求人情報を事前に登録しておけば、AIが掲載されている求人情報の中からその求職者に最適な求人情報を「おすすめ(レコメンド)」したり、なかには「自動でスカウトを届けてくれる」という仕掛けも現れています。
最大手求人サイトIndeedはAIが利用求職者にとっての最適な求人情報を個別配信する仕組みが搭載されています。すべての求人情報の中から求職者が検索して選ぶのではなく、AIが最適と思う求人情報を届けてくれる仕掛け。だから応募も生まれやすいのかもしれません。
とにかく、自分たちで求人の「Delivery(デリバリー)」を選ぶにしても、AIに自動配信してもらうにしても、「誰向けの求人か?」は緩やかでもいいので決めておかないといけません。
初手は「誰にデリバリーするか」を決めて、「デリバリー手法」を選ぶことです。
次に大切なことは「Action(アクション)」を作ることです。
求人内容にマッチした求職者へ求人情報が届いたとしても、彼らが100%応募アクションをしてくれるわけではありません。求職者は届いた求人情報を見ながら、ほかの求人案件と比較検討して、ここに応募していいかどうかを判断して応募します。求人広告に魅力を感じたり、もう少し詳しく知りたいと思ったりしなければ応募ボタンを押しません。
採用候補者レベルの求職者に「応募したい」「気になる」と思わせられるかどうか、ここが「Action(アクション)の工程で非常に大事になってきます。
求人応募のアクションを起こさせるためには、「告知方法に乗せる求人PRの内容を漏れなく魅力的につくる」ことが大切になってきます。求人原稿に掲載されている情報や、求人原稿以上の情報を求めて社名検索からほかのサイトに掲載されている情報を検索(エゴサーチといいます)した際に真っ先にチェックする、自社求人サイト(採用ホームページ)には、ターゲット求職者が響くPRの内容を、「もれなく」「伝わりやすい方法で」掲載しておく必要があります。
求職者が響く内容というのは、一般的に求職者が求人情報に必要としている項目から選択すると良く、大きく分類すると以下の6つにわけることができます。
詳細は後述の「失敗しない求人原稿の作り方」などでご紹介しますが、正しく求人情報を届けた(Delivery)先の求職者に応募アクションを起こしてもらうためにも、上記項目、少なくとも「会社概要」「仕事内容」や「求人情報・条件」に関しては、誤解なく詳しく丁寧に、求職者に伝わる表現で求人原稿に掲載することが重要です。
特に下の3項目「働く仲間」「職場情報」「社風・制度・福利厚生」は文章だけの表現では伝わりにくく、誤解を生じさせる可能性があります。この場合は「写真・画像」や「動画」を表現方法として選択すると伝わりやすくなります。
特に動画には情報伝達のスピードと伝達量を最大化させる効果があるといわれており、伝達速度は文章の5,000倍、伝達量はアメリカの調査会社、Forrester ResearchのJames L. McQuivey博士が2014年4月に発表した研究結果によると、1分の動画で文字換算180万文字・小説10冊分の情報に相当すると発表しています。SNSで主流になっている30秒縦動画はその半分としても小説5冊分ですから驚きです。
求人の応募アクションを起こすのは人間、いくらAIが最適な配達を行ったとしても求人メッセージの伝え方がおろそかであれば応募は生まれません。忘れがちではありますが、しっかりとした求人原稿の作成を心掛けていきましょう。
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